MV『答え合わせ』完成によせて

世界がウイルスに閉ざされていても、桜満開のニュースはうれしいものですね。今年も卒業シーズンがやってきました。

Studio-seginusからも、卒業生たちへ、1つ作品をお贈りします。新作『答え合わせ』です。

2020年9月以来、1年半ぶりの新作発表であり、さらに今回は初のミュージックビデオ作品という、これまでとは一線を画したものとなります。

今回Studio-seginusメンバーのうち、かねてから役者を務めてくれて、とくに『オリオンの季節』では主演を務めてくれた勝山君が大学を卒業します。卒業してからもしばしば彼の家に遊びに行っていたので、なにかひとつ、と筆を執ったのが、この作品の始まりでした。

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MV『答え合わせ』クランクアップ

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みなさま、お久しぶりです。監督の八代です。

前作の発表から1年半以上経ち、ようやく新作の制作を進めておりました。今回はちゃんと広報をしようと思いつつ、制作に夢中になってしまってまたもや更新を怠りました。ぐぬぬ。

新作タイトルは『答え合わせ』、初のMV作品になります。COVID-19の影響で群像劇が撮りづらい、というのもありますが、それ以上にひとつ、新ジャンルへの大きな挑戦として楽しんで取り組むことができました。

先週の土日で、おなじみのつくばで映画を撮影しました。卒業してからずっと東京にいるため、『ペルセウスの夜』はほとんどを東京で撮影しましたが、今回は勝山くんの卒業を主題にしているということもあって、別れをしのびつつ原点となった土地でカメラを回すことになりました。

MVにはMVの、短編には短編の、長編には長編の難しさがある、ということは映像をつくってきたひとの共通認識だと思いますが、そうはいってもやはり2時間ものの撮影よりははるかに楽でした。単純な「量」が少ないというのは絶対的にあると思います。

じゃあ、楽ちんだったの、というと全くそんなことはありませんでした。1日目のお昼に歌の収録を始めましたが、2時間で終わると思っていたものが、神経をすり減らしつつ集中して録音を進め、試行錯誤をし、結果として4時間かかってしまい、その疲労困憊状態で撮影に入るという過酷な制作になりました。正直、音楽収録を甘く見ていました。次からは歌の収録と映画撮影は別日にしよう。。。。。。

今回から、社会人の財力をふるってちょっと本格的なカメラで撮影を始めました。やはりきれいに撮れます。これは段違いでした。これまでが運動会を撮影するくらいに使うキヤノンのビデオカメラ(なお、もうキヤノンは民間用ビデオカメラは作っていないらしい)だったので、一眼レンズで撮られる映像はすべてが鮮やかで、自由でした。光を捉えるとはこういうことなのか、と思わされました。そういうわけで監督は1人撮影を楽しんでいたのですが、キャストはクランクインの時からへとへとでした。ごめんね。

疲労困憊のキャストたち(クランクアップにて)

作品はすでに編集段階に入っています。もう13作目ということもあり編集は慣れたものですが、音楽の制作に思ったよりてこずっております。ただやはり、映画作品というのは、「視聴覚刺激」であります。これまでフリーのBGMや著作権切れのクラシックに頼って長編映画を制作してきました。この音楽制作の壁を乗り越えてこそ、ほんとうのオリジナル、自分たちの作品勝負という冒険に出られると思って、日々戦っております。

CMも打ち上げ飲みで撮影しました。すでに第1弾があるので、みなさま見てくださいね! 公開は2021年3月25日、筑波大学の卒業式です。お楽しみに。

新作公開によせて

Studio-seginus5周年という記念すべき年に、社会人初作品を公開できたのは喜ばしいことです。今回は2作品を制作しました。『ペルセウスの夜』、『アサガオが咲いた日』いずれも30分前後の作品です。

作品の詳細についてはそのページをご覧いただければと思います。まずは、これまでご支援・応援を賜りましたみなさまに心より御礼申し上げます。

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「ペルセウスの夜」GWの撮影

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八代です。10連休も終わりますね。みなさまいかがお過ごしでしたか?

Studio-seginusでは、ゴールデンウィークに映画「ペルセウスの夜」の撮影を進めていました。平成最後の日にクランクインし、5月4日(土)まで撮影を続けていました。5月18日に残りのシーンを撮影し、クランクアップする予定です。

今回は大学が舞台の作品ではなかったため、会議室や飲食店、家風のパーティースペースなど、様々な場所をお借りしての撮影となりました。とくに、東北うまいもの酒場 プエドバルさんは、休業日にもかかわらず、撮影を快諾してくださいました。心から感謝します。

正直、今作の撮影は、非常に充実していた一方、頭を悩ませられたものでもありました。半年間にわたる脚本会議や各関係者の熱量が背景にあったためか、「自分だけの作品じゃない」「いい加減には撮れない」という意識が、これまでの作品に比べて強くあったのが大きいです。

「ペルセウスの夜」では生と死という非常に踏み込んだ主題を扱う一方で、各シーンに人間が日常的に経験する弱さや距離といったものが散りばめられており、両立して、観客に伝わるように描ききるのがとても難しいと感じました。一方、これまでは恋愛に特化していた主題を変え、また楽しみはもちろんクオリティの向上を目指す制作は、今までの”一歩先”へと進む充実感や達成感があり、監督としてはいまから上映が楽しみです。

そしてもうひとつ。今作は、社会人としての初作品です。大学を卒業する直前、社会人というものはじつに不自由で、苦痛にあふれたものだと思っていました。それでもぼくは卒業以降、社会人なりに創意工夫をし、なんとか、制作という活動を持続させることができています。もし、モラトリアムの終わりを恐れているひとがいるのであれば、ぼくたちが制作を楽しんでいるのを見て、ぜひ、希望を捨てずに未来を見つめてもらいたいと思っています。

これから作品情報を少しずつ投稿していきますので、楽しみにしていてください!

脚本以外の作業

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こんにちは! 八代です。

1年で一番寒い時期ですね。風邪、引いてませんか。無理しないでくださいね。

Studio-seginus新作の撮影は夏なものですから、まだ本格的な制作は始まりません。脚本もおおよそ完成しました。「じゃあ、監督、暇なの?」と言われると、そうではありません。

現在、ぼくは2つ、大きな物事に取り組んでいます。

  1. スケジューリングツールの開発
  2. DTMの勉強
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「ペルセウスの夜」脚本会議

12月29日に最新作『ペルセウスの夜』の脚本会議を行いました。

八代監督の脚本を元に登場人物の立場や思いを、監督、主演、脚本校正、プロデューサーの4人がディスカッションしイメージを共有しました。

登場人物が生きる世界や過去、そして未来について深く議論出来たと思います。

これから長い映画製作の旅が始まります。その長い旅から生み出された本作を通して、観客の皆さんに何を感じてもらえるか、今から楽しみです。

主題歌の作曲

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お久しぶりです。八代です。

映画『アサガオが咲いた日』の脚本が完成して以降、カット割りなどを考える傍ら、2つほど、大きな活動をしていました。

ひとつは、同時制作を計画している映画『ペルセウスの夜』の脚本執筆です。『アサガオが咲いた日』に対して、かなり重いタッチの作品で、『春想曲』以降扱っていなかった”生と死”に触れます。ぼく自身も思うところが大きい作品で、血を吐くように脚本を書いていました。12月末に、脚本会議があります。これについてはまた別の記事でお伝えします。

ふたつめは、主題歌の作曲です。ぼくの映画作品の音楽は『9センチ四方』を除いて、フリー音源やクラシックに大きく頼ってきました。しかし、『オリオンの季節』で主題歌を作って以降、やはり”視聴覚刺激”を主とする映画作品において、音楽も自作することはとても重要だと感じるようになりました。次制作する2作品についても、主題歌を作曲しました。前の記事で『アサガオが咲いた日』の主題歌を作曲した旨を書きましたが、『ペルセウスの夜』は少し毛色が違いました。 “主題歌の作曲” の続きを読む

脚本第二稿完成

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映画「アサガオが咲いた日」の脚本第2稿が完成しました。前回の脚本会議から1ヶ月半。社会人は油断しているとすぐ時間が経ってしまいますね。気をつけなければ……

第1稿が完成してから、脚本会議を経て、この日まで、課題となっていたのは、丁寧に関係を描くこと。雑に扱っていたキャラクターにも意義を持たせることです。
助監督2人のチェックによって、話の矛盾点や違和感はかなり修正できてきました。今のままでも、とりあえずお話としては走り出すようにはなりました。やはり人の目を通すというのは大事ですね。
そして今回、チェックを受けて感じたのは、チェックをあとで受けるのだという緊張感が、脚本を書く人間にもたらされるという利点です。私は監督ですし、映画を売る相手もいませんから、ほんとうに好き放題やっています。ですから、ここで自分を監査する立場がひとつできることは大きな変化なわけです。”なにか活用できる表現はないか……”、”かっこよく伏線にできるところはないか”とちゃんと思案するようになりました。

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映画「アサガオが咲いた日」第1回脚本会議

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脚本草稿完成!

表題の通り、脚本を無事書き終えることができました。すぐに書き終えられるかと思いきや、前回の投稿から半月が経ってしまいました。なかなか筆を執る余裕がなく、昨日思い切り書いて、そのまま書き終えてしまいました。半日はずっと書いていたでしょうか? ほかの案件は全部無視して書きました。作品って、書くモチベーションが高いときに一気に書く方がいいものができるので、まあよかったのではないかな、と思っています。

大まかな内容

会社を辞めて独身フリーター生活をしている主人公が、大学時代によく集まっていた友人に会いに行くお話です。そこに、ひそかに思いを寄せていた女性もやってきます。華々しい生活を送る同期に最初はコンプレックスを感じていた主人公ですが、昔のことを打ち明け合って、元気を取り戻していくのです。

まあこれだけ見ればちゃんとした話のようですが、要するに若いときにモテなかった人間の妄想がふんだんに盛り込まれております。

ぼくもよく夢を描いた頃よりは少し心がやつれているので、脚本を書くときは自分の夢というよりは、ノスタルジーのようなものを中心に書き進めました。

また、今作では、”ラジオ”と”アサガオ”という、ふたつのシンボルが登場します。ぼくの作品では、これまでも星だとか花だとかがシンボルに添えられたことはありましたが、おそらく今作は、シンボルというものにもっとも意識を向けた作品です。シンボルがあるだけで、びっくりするほど書きやすくなりました。

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映画「アサガオが咲いた日」脚本表紙

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脚本執筆開始・主題歌作曲

脚本

先週は企画書の見直し等をしていましたが、今日はついに脚本執筆を開始しました。シーン1と2を執筆完了。主人公の境遇を暗示するのと、物語が本格的にスタートするまでの場面です。

本音を言ってしまうと、ストーリーを考えるときというのは、だいたいイメージしている場面みたいなものがあるわけです。そういうのってやはり、クライマックスだとか、その前の1シーンだけであることが多いです。「こういうの、映画でやってみたくない?」っていう段階ですね。

しかし、当然、映画はそれだけではできません。導入が要りますし、シーンとシーンの間の遷移も大事です。構想から作品へと変えるには、この点と点を、きちんと線で結ぶ作業をしなければならないのですが、正直申し上げて、これが一番大変ですし、難しいです。

ぼくが構想だけを雄弁に語るだけのひとを軽蔑するのは、この作業を全然やらないから、これに尽きます。

それだけ大変な作業なので、ぼくの映画ではもちろん線にボロが出るのですが、プロの映画作品でも、線にはボロが散見されるものが多いです。だから一番良いのは、映画の全シーンを、描きたい気持ちで描いて、微調整していくことでしょう。今作は、今のところ、夢中で描いています。主人公の境遇に感情移入して、ちょっとセンチメンタルになっていたりします。このままうまく続けられるといいな……

主題歌

主題歌の作曲もしています。AメロBメロはちょっと風味が違いますが、サビは前作『オリオンの季節』と同じカノン進行で、しかもサビ導入のメロディは同じです。ほんとうは違うのが理想的ではありますが……自分の作品ですから、踏襲してもなにも問題ありませんね。

じつは、『オリオンの季節』のサビは、20歳のときから、ずっと頭の中で鳴っていたメロディに、歌詞を加えたものなのです。しかし、頭の中で鳴っていたメロディについていた歌詞は、それとは大きく違うものでした。今作では、それをようやく一致させることができています。表現手段を勉強すると、頭の中にあるものをきちんと形にできるから、楽しいですね。

一度曲の原型ができてから、しばらく、納得できるものに仕上がらず、迷ってもいました。とくにAメロの歌詞などは。サビとか、その導入とかは考えやすいのですが、そのあいだは難しい。これも、脚本の線で結ぶ動きと同じかもしれません。

今日、それをようやく解決しました。映画のシンボルである『アサガオ』を歌のシンボルにもしたことで、歌詞に統一性を持たせることに成功したのです。シンボルというものの大切さを、思い知らされた気がします。

 

映画『アサガオが咲いた日』は、八代映画史上で一番、シンボルというものをきちんと使った映画作品になりそうです。お楽しみに!