MV『答え合わせ』完成によせて

世界がウイルスに閉ざされていても、桜満開のニュースはうれしいものですね。今年も卒業シーズンがやってきました。

Studio-seginusからも、卒業生たちへ、1つ作品をお贈りします。新作『答え合わせ』です。

2020年9月以来、1年半ぶりの新作発表であり、さらに今回は初のミュージックビデオ作品という、これまでとは一線を画したものとなります。

今回Studio-seginusメンバーのうち、かねてから役者を務めてくれて、とくに『オリオンの季節』では主演を務めてくれた勝山君が大学を卒業します。卒業してからもしばしば彼の家に遊びに行っていたので、なにかひとつ、と筆を執ったのが、この作品の始まりでした。

作曲自体はこれまでも主題歌でやってきた経験がありました。しかしながら、今回はとくに作詞でいい言葉が浮かばず四苦八苦しました。いくつか卒業ソングを聞きましたが、巷の卒業ソングというものは、小学校や中学校に向けたものが多いです。しかし、ぼくたちが向き合う卒業というものは、大学の卒業です。専門学校でもいいかもしれない。卒業アルバムはありませんし、おなじみの教室やロッカーもありません。シンボルというものがないのに加えて、再会を信じられるほど純粋でも健気でもありません。そういう卒業を歌うにはどうすればよいでしょうか。

少しドライな歌詞ができてきて、メロディもまとまり始めたころ、ヒントをくれたのはやはり友人たちでした。何人かとLINEでやりとりをし、昔話に花を咲かせたあとのことです。期限が近づいてきたので収録・撮影計画を川添君、勝山君と話しました。このとき、送り迎えを載せてみてはどうか、という話が出ました。このとき、唐突にぼくのなかに、最後まで浮かんでこなかったBメロの歌詞が浮かんできたのです。

「駅まで送る」というシナリオは草案の段階ですでにあったものですが、このとき現実味をもって、映像もぼくのなかに形作られることになりました。車での送り迎え。道。これであれば、シンボルになりうると。

ぼくは絵コンテが下手ですが、下手なりに全編絵コンテを描いたのは今作が初めてになります。6分の作品だからこそ、少し粒度の高い視野で作品を見つめることができました。

撮影はさきの投稿の通りでしたが、今作は編集も大きな戦いとなりました。買い切り好きのぼくはAdobeの定額制がほんとうに嫌いなので、思い切って今回はDavinci Resolveにソフトを移し、新人状態で編集に臨みました。何度ショートカットキーを間違えたことでしょう。ただResolveは、元々カラーグレーディング専門のソフトウェアだったこともあり、今回は初めて色彩設計というものをしっかりすることができました。同じ映像でも色合いひとつで印象が大きく変わります。これは非常にエキサイティングな体験でした。

音楽については、ぼくはあまりの無力さに絶望感がありました。なにせ、収録するための音源で60BPMのはずが120BPMで打ち込んでいたりと何も素養がないわけですから、そんな僕に編曲だの補正だのは厳しいものがあります。そのとき救いを差し伸べてくれたのが、小学校からの親友、Squita君でした。彼は小学校から吹奏楽を経験していて、今はベースもたしなむ音楽大好き人間です。飲みの成り行きで笑、編曲に携わってくれることになりました。ピアノのコードと弱っちいドラムだけであった(思えばよくそれで収録できたな。。。)音源にストリングやギターが入り、ドラムもきれいになり、音楽らしい音楽になったのは彼のおかげです。

そうしてようやく、今作はStudio-seginusフルオリジナル作品としてお届けできるようになりました。これまでの作品はほぼフリー音源か著作権切れのクラシックを使っていますが、今作は正真正銘、オリジナル。著作権も独占! 商用利用可能!笑

とにかく、ぼくは今作がとても誇らしいです。かかわってくれたすべてのひとに感謝します。

最後に、すべての卒業生たちに、素敵な未来が訪れることを祈ります。

発表まであと4時間少し。もう少々お待ちください。

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