脚本
先週は企画書の見直し等をしていましたが、今日はついに脚本執筆を開始しました。シーン1と2を執筆完了。主人公の境遇を暗示するのと、物語が本格的にスタートするまでの場面です。
本音を言ってしまうと、ストーリーを考えるときというのは、だいたいイメージしている場面みたいなものがあるわけです。そういうのってやはり、クライマックスだとか、その前の1シーンだけであることが多いです。「こういうの、映画でやってみたくない?」っていう段階ですね。
しかし、当然、映画はそれだけではできません。導入が要りますし、シーンとシーンの間の遷移も大事です。構想から作品へと変えるには、この点と点を、きちんと線で結ぶ作業をしなければならないのですが、正直申し上げて、これが一番大変ですし、難しいです。
ぼくが構想だけを雄弁に語るだけのひとを軽蔑するのは、この作業を全然やらないから、これに尽きます。
それだけ大変な作業なので、ぼくの映画ではもちろん線にボロが出るのですが、プロの映画作品でも、線にはボロが散見されるものが多いです。だから一番良いのは、映画の全シーンを、描きたい気持ちで描いて、微調整していくことでしょう。今作は、今のところ、夢中で描いています。主人公の境遇に感情移入して、ちょっとセンチメンタルになっていたりします。このままうまく続けられるといいな……
主題歌
主題歌の作曲もしています。AメロBメロはちょっと風味が違いますが、サビは前作『オリオンの季節』と同じカノン進行で、しかもサビ導入のメロディは同じです。ほんとうは違うのが理想的ではありますが……自分の作品ですから、踏襲してもなにも問題ありませんね。
じつは、『オリオンの季節』のサビは、20歳のときから、ずっと頭の中で鳴っていたメロディに、歌詞を加えたものなのです。しかし、頭の中で鳴っていたメロディについていた歌詞は、それとは大きく違うものでした。今作では、それをようやく一致させることができています。表現手段を勉強すると、頭の中にあるものをきちんと形にできるから、楽しいですね。
一度曲の原型ができてから、しばらく、納得できるものに仕上がらず、迷ってもいました。とくにAメロの歌詞などは。サビとか、その導入とかは考えやすいのですが、そのあいだは難しい。これも、脚本の線で結ぶ動きと同じかもしれません。
今日、それをようやく解決しました。映画のシンボルである『アサガオ』を歌のシンボルにもしたことで、歌詞に統一性を持たせることに成功したのです。シンボルというものの大切さを、思い知らされた気がします。
映画『アサガオが咲いた日』は、八代映画史上で一番、シンボルというものをきちんと使った映画作品になりそうです。お楽しみに!